
皆さん、こんにちは。 耳鼻咽喉科・頭頸部外科の専門誌『JOHNS』2026年4月号にて、記事を執筆しましたのでご報告します。


今回の特集テーマは「耳鼻咽喉科領域における患者支援機器」です。
私はその中で、「アクセシビリティ機器の現状と将来像」と題して、日頃から注目・推進しているICTを活用した支援について解説しました。
スマホ・タブレットが変える患者支援
現代のiOSやAndroid端末には、ライブ字幕やテキスト読み上げ(TTS)など、非常に優秀なアクセシビリティ機能が標準搭載されています。これらは、聴覚障害や発声障害を持つ方にとって、従来の補聴器や人工喉頭などの専用機器と併用、あるいは代替できるほどのポテンシャルを秘めています。
記事内では、私自身が講演活動などで利用している「コエステーション(自分の声をデータ化してアバターと共に喋らせる機能)」の事例も交えながら、自宅での学習・就労支援や社会参加の促進など、具体的なユースケースを紹介しました。
「治療」+「アクセシビリティ」でQOLを向上
医療の現場ではどうしても「疾患を治すこと」が最優先されますが、機能回復には時間がかかったり、限界があったりするケースも少なくありません。そこで重要になるのが、アクセシビリティ機器を活用して「できること」を増やすアプローチです。
しかし、市販のデバイスにこれほど強力な支援機能が備わっていることは、患者さんや医療従事者にまだ十分に認知されていません。また、個々の状況に合わせて技術をフィッティングできる人材や、制度的なインセンティブの不足など、普及には課題も残されています。
疾患が治らなくても、ICTの力で十分に社会参加できる未来を提供すること。それがこれからの医療に求められる役割の一つだと考えています。
医療従事者の方々に、この技術の理解を深めていただくきっかけになれば嬉しいです。機会がありましたら、ぜひお手にとってご覧ください。

