アクセシビリティとの出逢い

目覚めた私が思い知ったこと

前回書きましたように、ギラン・バレー症候群を発症した直後から意識を失ってしまい、次に目が覚めたのは約4ヵ月後でした。

目が覚めたのはよかったのですが、思い知った現実は本当に厳しいものでした。四肢がまったく動かず、動かせるのは頭と眼球だけだったのです。頭に関しても動かせるといってもほんの少しだけでした。このような状態では、言葉を話すことはおろか、ものを持ったり、自分の意思を示すことも極めて困難でした。外部とのコミュニケーションが絶望的な状況で、表現するのが難しいほど辛かったです。

こんな状況の私を変えてくれたのが「アクセシビリティ」との出逢いでした。デジタル機器を使って、障がい者や患者さんの日常動作や意思疎通をアシストすることを言うのですが、デジタル医療についてともに研究している、東京慈恵会医科大学社会人大学院生の畑中洋亮さんと、実際にそうした方々をアプリでサポートしている一般社団法人結ライフコミュニケーション研究所の高橋宜盟さんが私を訪ねてくれ、提案してくれたのです。

これがその時の模様です。

先日上梓した書籍『iPadがあなたの生活をより良くする』に経緯は詳しく書きましたが、実を言うとすぐに使いこなせてとても快適になった!という訳にはいかなかったのですが、いろいろと調整をして、自分にあった「アクセシビリティ」の使い方を見つけ、以前に比べればかなりスムーズに生活できるようになりました。もちろん今も「アクセシビリティ」のおかげで、様々な活動ができています。

「アクセシビリティ」というのは、現実には確かに障がい者、体が不自由になっている患者さんなど、入院していたり通院している方々にむけた技術ではあるのですが、ちょっと文字が見えづらい、通常の方法では操作しづらいなどと感じる、一般の方々にとっても有用な技術です。ですので、すべての方々が知っておいて損はない技術、手法です。本では様々な活用のしかた、実際に活用している方々の声なども取材して載せていますので、ぜひ手にとって読んでみてください。

そしてこの本を見て共感してくだった、個別リハビリ事業などを展開するSTROKE LABさんが、私のアクセシビリティについてのセミナー講義などを紹介する動画を作成してくださいました。とてもわかりやすいので、ぜひご覧ください。

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